お伊勢参り一人旅④【月夜見宮~内宮】

月夜見宮

外宮から徒歩でも行ける別宮「月夜見宮」

お伊勢参り一人旅二日目、ホテルを6時半に出発し、一日目に参拝予定だった月夜見宮に向かいました。月夜見宮は、月夜見尊(つきよみのみこと)が御祭神です。天照大神の弟神で、月にたとえられている神様です。日の出前の空が薄っすら明るくなったこの時間。他の参拝者の方もおらず、清々しい空気の中で参拝させていただきました。

街中にひっそりと佇む月夜見宮

月夜見宮には、他にも高天原神社もあり、御祭神は月夜見尊御魂です。日の出前だったので、まだ灯篭の明かりもついていて幻想的でした。鳥のさえずりだけが聞こえる早朝の神社は、ただ無になれる空間です。

月夜見尊御魂をお祀りする高天原神社も境内にあります

少しづつ空が明るくなってきました。日が昇る前に内宮に行きたいなと思っていたので、月夜見宮を後にし、内宮へ向かいます。内宮は、月夜見宮から車で15分くらいです。

皇大神宮(内宮)

日が出る直前の内宮鳥居 空が明るくなっていくのが幻想的でした

1月の土日は内宮近辺の交通規制があり、内宮からおかげ横丁を通り抜けた先にある内宮パーキングにしか車を停めることができず、朝7時半頃でも続々と車が駐車場に入っていました。さすが「一生に一度はお伊勢参り」と言われ続けてきた場所です。昨日に引き続き、御垣内参拝のために正装で内宮に出向きましたが、一月の早朝の伊勢はとても寒かったです。

どんな季節でも美しい五十鈴川 ここへ来ると心が清らかになれます

参道の途中、五十鈴川でお清めの意味で、手を洗わせていただきました。春夏秋冬、どんな季節であっても、美しい五十鈴川。ここへ来ると、心が一気に清らかになります。川の水は、川底や小魚がはっきりと見えるほどの透明度です。

内宮正宮 御幌(みとばり)の中に入って参拝させていただきました

内宮は、鳥居から正宮までが少し距離があります。どのお宮より広大で、隅々まで美しく整われており、自然と背筋もまっすぐになって、天照大神様に会いに来たんだと気が引き締まります。昨年、ここに来る前にショックな事があった直後のお参りで、神様にすがるような気持ちだったのを思い出します。昨年のそのような私でも、今年のように気を引き締めて参拝する私でも、どんな状況であっても、変わらずに向かい入れていただけていることがただありがたく、感謝の気持ちをお伝えいたしました。

外宮と同じく御垣内参拝をさせていただきました。本殿内に入った瞬間から、喜びと緊張感で体が震え、鳥居の前で参拝する前から涙が自然と流れます。

天照大神様に今年も会いにこれた喜びと、この場に立つと必ず感じるのは、「自分と向き合う」ことの大切さです。恐らく、神様はそれを私たちに伝えたいのだろうと思います。

天照大神の神話に、天岩戸隠れのお話があります。天照大神は、弟神の須佐之男命の暴挙に嘆き悲しみ、天岩戸に隠れてしまいました。太陽神である天照大神が隠れたら、世は暗闇となり、八百万神々は困りました。何とか天照大神を表に出すために、女神の天宇受売命(あめのうずめのみこと)が一心不乱に踊り、神々が大笑いしていた声を聞いた天照大神は、その様子が気になり、岩を少し開け「なぜにそんなに踊り笑っているのですか?」と問うと、天宇受売命は「天照大神様よりも高貴な神様がお出になられたので喜んで踊っています」と答え、別の神が天照大神の前に鏡を差し出しました。天照大神は、鏡に映った自分の姿を、自分よりも高貴な神様と勘違いして、もっとよく見ようと身を乗り出した時、天岩戸から引っ張り出されました。この神話に現れる鏡とは、内宮に納められているという三種の神器のひとつ「八咫鏡」と言われています。

どこの神社にも丸い鏡が納められています。参拝するとき、この鏡の前で私たちは手を合わせお参りをします。この神話を知った時、参拝される人すべてが、この天照大神と同じなんだなと思いました。

分かりやすく言うと「己こそが高貴な神様と同じ存在である」という考え方です。天照大神様に会いに行くと、いつもそれを思い出し、自分自身との向き合い、感謝、信じる心、勇気を受け取ることができます。私が、毎年お伊勢参りに行く理由は、ここにあります。まさに「自分に会いに行く」と言う感覚です。

誤解ないように付け加えれば、決して「私は神様だ!」と言っているのではありません。人間は皆等しく誰しも神様と同じく尊い存在です。それを皆んなが理解し、神様と同じように自分自身を敬い、大切にできれば、もっと幸せな人生が送れるのではないかと思っています。

私にとって、内宮とは、その気持ちを強く再確認できる場所であります。ここ数年の私の変革を導いていただいた神様へのお礼と、ここまで行動してきた自分への敬意、そしてこれからどう生きて行くのかを心を込めてお伝えすることができました。

内宮の中にある別宮「荒祭宮」

正宮のあと、境内にある別宮のひとつ荒祭宮(御祭神は天照大神荒御魂)を参拝し、ゆっくりと参道を歩きます。境内には所管社の大山祇神社(御祭神は大山祇命)と子安神社(御祭神は木花咲耶姫)があり、親子の神様が祀られています。内宮に行かれた際には、ぜひこちらもお参りされてみてはいかがでしょうか?

大山祇神社(御祭神は大山祇命)と子安神社(御祭神は木花咲耶姫)

約1時間の内宮参拝を終え、徒歩で猿田彦神社へ向かいます。

宇治橋を渡り内宮を後にします

次は、お伊勢参り一人旅⑤【猿田彦神社~月読宮~倭姫宮】です。

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